【補助金・助成金の営業に注意】不正受給ニュースから考える経営者のリスク
最近、「助成金の啓発団体が不正受給を指南していた疑い」という報道がありました。
さらに年末には、リスキリング助成金に関する返還問題もニュースになっています。
補助金・助成金は本来、企業の前向きな投資や雇用改善を支援する制度です。
しかし一方で、制度を悪用するスキームや、甘い営業トークによって企業側が巻き込まれるケースも出ています。
本記事では、中小企業診断士・行政書士の立場から、
- 不正受給の典型パターン
- 発覚した場合のリスク
- 「実質負担なし」営業の落とし穴
- 不正ではなくても“損する”ケース
を整理します。
1. 助成金不正の典型例とは?
今回報道された事例では、キャリアアップ助成金の「正社員化コース」を悪用した疑いが報じられました。
本来は、非正規雇用の従業員を正社員に転換した場合に支給される制度です。
しかし、
- 実質的に正社員だった従業員を
- 「有期契約だった」と書類上変更し
- 正社員転換したことにする
といった形で申請していた疑いがあるとされています。
助成金は「書類」で審査されます。
だからこそ、書類を書き換えるスキームは極めて危険です。
2. 年末に発覚したリスキリング助成金問題
年末には、リスキリング助成金において
- 実際より高額な経費を計上
- 一度高額を支払ったように見せる
- 別会社経由で資金を循環させる
といった不正スキームが報じられました。
「実質負担なし」
「むしろお金が残る」
という営業トークが使われていたとも言われています。
3. 不正が発覚した場合のダメージ
不正受給が発覚すると、企業には以下のような影響があります。
- 受給額の全額返還
- 違約金・延滞金の上乗せ
- 社名公表の可能性
- 一定期間、他の助成金・補助金が申請不可
- 金融機関・取引先・採用への悪影響
特に「社名公表」は経営に長期的なダメージを与えます。
4. 「任せておけば大丈夫」は本当に安全か?
実際に私が耳にしたケースでは、
「助成金を使えば安くなります」
「全部任せておけば大丈夫です」
という営業トークに乗り、結果として返還になった企業もあります。
重要なのは、
👉 お金を受け取るのは企業自身
👉 最終責任も企業側
という点です。
「代行業者がやったから知らない」では済みません。
5. 不正ではなくても“損する”ケース
補助金営業の中には、
- 補助金前提で価格が吊り上がっている
- 他社では値引きできる商品を補助金対応価格で販売
- 補助金を使うことで事務負担や制約が増える
といったケースもあります。
結果として、
「補助金を使ったけど、実は得していなかった」
ということも少なくありません。
6. 補助金・助成金は割引クーポンではない
補助金・助成金には
- 制度目的
- 要件
- 事後報告義務
- 数年間の制約
があります。
「実質負担なし」
「お金が残る」
といった営業トークには、必ず一度立ち止まってください。
7. 経営者が押さえるべきポイント
最低限、以下は確認してください。
- 公募要領を理解しているか
- 相見積もりを取っているか
- 補助金前提で価格が上がっていないか
- 自社にとって本当に必要な投資か
制度を正しく理解し、
自社判断で活用することが重要です。
まとめ
補助金・助成金は、正しく使えば強力な支援制度です。
しかし、甘い営業トークに乗れば、大きなリスクになります。
制度は「お金をもらう仕組み」ではなく、
「政策目的を達成するための支援制度」です。
経営者として、責任ある判断を行いましょう。
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