省力化補助金について調べている方の中には、
「自社で申請したが不採択になった」
「どこが悪かったのか分からない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。

実際に、不採択になった事業計画を複数見ていくと、業種や規模が違っても、弱くなりやすいポイントには共通点があります。

本記事では、補助金事務局が公表している「事業計画作成ガイド」をもとに、省力化補助金が不採択になりやすい理由と、事業計画を見直す際のポイントを中小企業診断士・行政書士の立場から解説します。

省力化補助金とは?簡単に制度の位置づけを整理

省力化補助金は、単に設備を導入するための補助金ではなく、省力化投資を通じて、企業の経営資源を再配置し、賃上げや付加価値向上につなげる
ことを目的とした制度です。

そのため、「人手が足りないから機械を入れたい」という理由だけでは、評価されにくいのが特徴です。

不採択になりやすい事業計画の共通点

省力化補助金で不採択になった計画を見ると、次のような共通点が多く見られます。

  • 自社分析が省力化投資と結びついていない
  • ボトルネックが第三者に伝わらない
  • 省力化指数の数字だけを整えている
  • 新たな付加価値の説明が弱い
  • 事業規模に対して投資額が大きすぎる

以下で、事業計画作成ガイドの構成に沿って解説します。

① 事業者の概要(現状分析と経営課題)の注意点

多くの事業者は、SWOT分析などを用いて自社分析を行っています。

しかし問題になりやすいのは、「省力化補助金で申請する内容を前提にした分析になっていない」という点です。

例えば、製造業で製造設備を導入する場合には、製造工程の強み、製造工程のボトルネックや弱みが中心になるべきです。

「正しい自社分析」でも、省力化投資と関係が薄い内容ばかりでは、審査側に「なぜこの設備が必要なのか」が伝わりません。

② 省力化投資の具体的内容|ボトルネックが伝わっていますか?

省力化投資の項目では、設備の説明に入る前段階が非常に重要です。

重要なのは、現在どこがボトルネックなのかなぜそこに人手や時間がかかっているのかそれが経営上どのような課題になっているのかを、第三者が理解できる形で示すことです。

文章だけで伝わりにくい場合は、工程図・写真・フロー図などを活用し、省力化前と省力化後の違いを可視化することが有効です。

省力化指数は0.9以上必要?

省力化指数について、「0.9以上が目安」と言われることがありますが、公募要領上、明確な基準が公表されているわけではありません。

重要なのは数値そのものではなく、どの工程がどのように省力化されその結果としてどの数値になるのかという算出根拠の妥当性です。

無理に数字を合わせた計画は、かえって不自然になり、不採択の原因になりやすい点に注意が必要です。

③ 新たな付加価値の創出が最重要ポイント

不採択事例で最も多いのが、「新たな付加価値」の説明が弱いケースです。

確かに、省力化によって従業員の負担が減ること自体は大きな効果ですが、それだけでは評価されません。

求められるのは、省力化で生まれた時間・人材をどのような業務に振り向けどんな付加価値を生み出すのかという未来の話です。

製造業であれば、新製品や新仕様への取り組みなど、新事業進出補助金やものづくり補助金ほどの高い革新性は求められていません。

④ 財務計画|投資規模は適切か?

財務計画では、省力化投資をやり切れる財務力があるか将来の収支計画に納得感があるかが見られています。

特に注意したいのが、事業規模に対して大きすぎる投資です。

理想的なのは、「自社でも投資は可能だが、補助金があればリスクを軽減できる」

という位置づけです。「補助金がなければ成立しない投資」になっていないか、一度冷静に見直すことが重要です。

⑤ 実施体制・⑥ その他注意事項について

実施体制やスケジュール、その他注意事項については、ガイドに沿って整理すれば大きく外すことは少ない項目です。

ただし、これまでの内容と整合が取れているかNG事項に該当していないかは必ず確認してください。

省力化補助金は「経営計画」を問われる補助金

省力化補助金は、設備投資の申請ではなく、経営をどう再設計するかを問われる補助金です。

自社で取り組むこと自体は否定されるものではありませんが、事業計画作成ガイドを正しく読み解き、ここまで整理するのは簡単ではありません。

必要に応じて、認定支援機関など第三者の視点で計画をチェックしてもらうことも検討すると良いでしょう。

省力化補助金について、「自社で申請したが不採択になった」「計画の方向性を一度確認したい」といったご相談にも対応しています。

事業内容や進め方に応じて、自社対応を前提とした整理のサポートも可能です。ご興味があれば、事務所の公式LINE・お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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