補助金に何度も申請しているけども採択されないという相談をよくいただきます。そういった相談者の傾向と私自身の支援経験から採択されない事業者の方の理由をまとめました。
ちなみに2024年の補助金支援実績
当事務所で補助金の支援実績は累計で30件以上となり、補助金額は2億円以上となっています。
2024年の支援実績は、
- ものづくり補助金18次 採択率37.2%に対して、2件申請で2件採択
- 事業再構築補助金第12回 採択率26.5%に対して、5件申請で3件採択
- 持続化補助金第16回 採択率37.2%に対して、1件申請で1件採択
となっています。金額にして約6,000万円となっています。
補助金で不採択となる理由は、一言で言うと公募要領をきちんと読んでいない
不採択理由を大きく3つに分けると
そもそも要件を見たいしていない、書類不備
最近は、電子申請となり、こういったケースは減っているのですが、補助金には要件があります。
- 企業規模
- 付加価値額の増加率
- 給与支給総額の増加率
などの基本要件に加えて、申請枠や類型によって求められる要件や書類が異なるケースがあります。公募要領の中の補助対象者、補助要件、必要書類をしっかりと確認してください。
補助金の趣旨に沿っていない
要件や書類も満たしていて、事業計画もしっかりと作っているのに。。。という方で多いケースとして補助金の趣旨に沿っていないというケースがあります。それぞれの補助金は以下のような趣旨のもと実施されています。
- 小規模事業者持続化補助金
- 小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です
- ものづくり補助金
- 中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援します。
- 中小企業新事業進出補助金
- 既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
この趣旨に沿った投資となっていないケースや、主たる経費が趣旨に沿っていないケースなどは不採択となります。
事業計画が採択基準に達していない
これはいろんなパターンがあるのですが。以下のようなことが挙げられます。
- そもそも読みにくい、わかりにくい
- 計画書が論理的になっていない
- 数字根拠がない
- 資金調達の根拠がない
- 申請事業者と事業規模が合わない
- 加点が足りない
- 社会的な意義が薄い
各項目の詳細は動画にて説明をしています。
採択されるためにはどうしたらよいか
補助金は、事業者自身で作るものだと思いますし、その方がよいと思っています。しかしながら、相対評価であることから、ノウハウのある専門家に勝つことはなかなか容易ではありません。特にコロナ禍以降、専門家が増えたため、かなりハードルがあがっています。特に、普段、パソコンで資料を作る機会が少ない方には、非常に難易度が高いと思います。
専門家に頼むと採択率は高まりますが、着手金+5~10%の成功報酬が必要となります。
ご自身でチャレンジしたいという方は、近隣の商工会議所等で一度、計画書を見てもらって、その反応を見て、検討されるとよいと思います。