今回は「テイクアウト業の倒産が過去最多ペース」というニュースをきっかけに、流行ビジネスの落とし穴と失敗しないための注意点をまとめました。
特にこれから開業を考えている方、副業からビジネスを始めようとされている方は、ぜひ最後までご覧ください。
テイクアウト店の倒産が増えている背景とは?
先日、私の事務所の近くにあった唐揚げ専門店が閉店しました。愛用していただけに残念だったのですが、ちょうどその頃、東京商工リサーチによる「テイクアウト業の倒産増加」のニュースを目にしました。
調査によると、2024年の持ち帰り・宅配飲食サービス業の倒産は前年を大きく上回るペース。原因の多くは販売不振や、経営計画の甘さとされています。
テイクアウト市場は成長中。それでもなぜ潰れる?
実は、テイクアウト市場そのものは成長しています。富士経済の調査によれば、コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、その後は右肩上がり。
それでも倒産が相次ぐ理由は、「店舗数の急増によって1店舗あたりの売上が分散し、利益を確保しにくくなった」ためです。需要よりも供給が増えている状態ですね。
これは脱毛サロンやパーソナルジムなど、流行ビジネスに共通する構造でもあります。
流行ビジネスが失敗しやすい3つの理由
1. 経験がない状態で始めてしまう
流行ビジネスで開業する人の多くは、その業界の経験がないまま飛び込んでしまいます。
特に30代後半以降の方が家族を支えながら起業する場合は、これまでの経験やスキルを活かした分野での起業を強くおすすめします。
飲食未経験でも、フランチャイズで外部ノウハウを導入すれば勝算はありますが、「完全未経験×丸投げ」では成功は難しいのが現実です。
2. 立地や初期投資で妥協してしまう
「開業したい!」という気持ちが強すぎて、物件や初期投資の妥協に走ってしまうケースも多く見受けられます。
「ここでいいか…」と妥協して契約した物件で開業しても、後で後悔して相談に来られる方が非常に多いです。
立地や設備投資はやり直しがききません。**「良い物件が出てこない=今はそのタイミングではない」**と判断する勇気も必要です。
3. フランチャイズの甘い資料に騙される
フランチャイズはノウハウ提供やブランドの力がある一方で、流行ビジネス系のフランチャイズには要注意です。
- 実績が1年程度しかない
- 数字の根拠が不透明
- 加盟金目的で拡大している本部も存在
こうしたケースでは、開業後のサポートが弱く、結局失敗してしまう可能性が高いです。契約前に冷静な判断ができるよう、第三者のアドバイスも受けることをおすすめします。
失敗しないための3つの視点
1. 短期ビジネスか長期ビジネスかを見極める
流行ビジネスの多くは「短期勝負」。悪いことではありませんが、「2〜3年で回収して撤退」という設計が必要です。
長期でやるなら、そのビジネスが今後も続く市場かどうか、冷静に分析することが重要です。
2. 経験がなければ副業からスタート
いきなり開業せず、副業でスモールスタートを切りましょう。今はキッチンカーやシェアキッチンなど、小規模で飲食ビジネスに挑戦できる方法も増えています。
私もコンサル以外の事業は、副業から経験を積んで本業化した経緯があります。
3. できるだけ早く専門家に相談を
物件契約やフランチャイズ契約の後では、アドバイスできる範囲が狭くなります。構想段階の早いうちに相談を受けることで、リスクを大きく下げられます。
- 商工会議所
- よろず支援拠点
- 創業センター
など、無料で相談できる公的機関をフル活用しましょう。できれば、複数機関を回って相性の良い専門家を探すのがおすすめです。
まとめ
流行ビジネスは魅力的に映りますが、その裏には失敗しやすい構造があります。
だからこそ、
- 短期or長期の判断
- 経験の活用or副業での準備
- 早めの専門家相談
この3点を意識するだけで、失敗の確率を大きく下げることができます。
近所の唐揚げ店の閉店をきっかけに、改めて考える機会になりました。あなたの開業が良いスタートを切れるよう、今回の記事が少しでも役に立てば幸いです。
お気軽にお問合せください。

HATA行政書士・中小企業診断士事務所
お気軽にお問合せください。
当事務所は、安楽寺内にあります。代表が運営しているコワーキングスペースが隣接しています。