私は日本全国のコワーキングスペースを紹介するポータルサイト「コワーキング ジャパン」を運営しています。また、「コワーキング ジャパン」は、2年半ほどの運営期間ですが、私自身がコワーキングスペースを使うようになってからは4年ほどです。この間にコワーキングスペースはどんどん変化をしていていて、安価なオフィス(設備)と居心地の良いスペース(オーナー)の2極化が進んでいると強く感じます。
コワーキングスペースはこれからどうなるのだろうか?現状は2極化している
そもそもコワーキングスペースというものの歴史自体が10年ありませんので、これからも変化を続けていくのだと思いますが、現状は一口にコワーキングスペースと言ってもさまざまな運営方針のスペースがあり、これからコワーキングスペースを探している人にとっては探しにくくなっているのだろうなと想像します。
さまざまな運営方針のスペースがあること自体は以前からそうなのですが、かつては全国で200~300件くらいしかなく、東京の渋谷などを除けばそもそも選択肢となるスペースが数件だったので探しやすいも探しにくいもなかったと思います。
なんとなく必要だと感じていた人にとってのコワーキングスペースからビジネス的なコワーキングスペースに・・
私がコワーキングスペースを運営しているのは、コワーキングスペースを利用していたからです。そして、コワーキングスペースを利用していたのは自宅で1人ぼっちで仕事をすることに限界を感じたからです。
フリーランスと呼ばれる人たちは多かったですが、ノートPCの性能や電源、ネットワークの問題などでこれまでは外に持ち出すという選択肢が無かった人が外でも仕事ができるという状況になり、その中でこれまでこういうスペースが欲しいかったという人の思いがコワーキングスペースにつながったのかなと思います。(私自身の体験をベースにしているのでそうではない人も多いかもしれませんが。)
コワーキングスペースは、プロダクトアウト型のサービスが多かった?
つまりコワーキングスペースはプロダクトアウト型のサービスが多かったのだと思います。プロダクトアウトというのは、単純に言えば自分が欲しいもの、作りたいものを基準に製品を作り、販売方法は後からするというスタイルです。
よくカフェなどの飲食業を開店して失敗するのは、プロダクトアウト型になってマーケットのニーズを捉えれていないからと言われますが、コワーキングスペースも似たような感じかなと思います。
ただ、私もそうですが、そもそもコワーキングスペースの運営というビジネスで儲かるとは思ってなくて、赤字じゃなかったらいいなぐらいで運営しているスペースも多いのかなと思ったりもします。
ただ、ビジネスモデルとしては貧弱なので事業的に厳しくなって閉店するところが多いのかなと思います。
現在は、大手企業によるマーケットイン型が多い?マーケットインというよりは仕方なく運営?
昨年末から大手企業が運営するコワーキングスペースが増えてきました。大手企業はマーケットのニーズなどを調べたすマーケットイン型のスペースが多いのかなと思います。
一方で、コワーキングスペースに進出をせざるを得なくなった企業やコワーキングスペースを本業のために運営する企業も増えてきました。例えば・・・
- オフィスの借り手がなくなったので、空きテナントの有効活用としてのコワーキングスペース
- 大きなオフィスが減るのでオフィス家具の需要が減ると見込んだオフィス家具メーカーによるコワーキングスペース運営(ショールーム機能も兼ねてる?)
- 起業家がビジネスの顧客である企業が顧客の取り込みとして運営
とかですね。
安価なオフィス(設備)と居心地の良いスペース(オーナー)の二極化とは
で、タイトルの安価なオフィス(設備)と居心地の良いスペース(オーナー)の二極化ということについてです。
安価なオフィスは大手企業の運営する顔の見えないコワーキングスペースのこと
大手企業の運営するコワーキングスペースは設備は基本的に良いです。予算もたくさんありますし、コワーキングスペースの運営目的によっては採算度外視の設備投資をおこなっているケースもあります。
コワーキングスペースは高くても月額5万円ほどです。ほとんどのスペースが月額1~2万円です。5万円であっても自分でテナントオフィスを借りるよりははるかに安価です。
▼その点は以前にUmidassの記事としてアップしていますのでよろしければ一読ください。
賃貸オフィスとコワーキングスペースの価格比較 | コワーキングスペース・自習室 Umidass
豊中市や、近郊の箕面市、池田市、吹田市など北摂地域で賃貸オフィスを借りる場合と、コワーキングスペースを利用する場合の価格を比べてみました。
その代り、運営者の顔は見えないケースが多いです。要はハード的なサービス提供ということです。
利用者にとっては事前の期待どおりのサービスを受けることができることが多いと思います。一方で期待以上ということにはなりにくいのかなと。
居心地の良いスペースとは運営者の顔が見える小さなコワーキングスペースのこと
このようなタイトルにすると大手企業のコワーキングスペースは居心地が悪いと思われるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
小さなコワーキングスペースは、設備は大手企業に比べると劣るケースが多いです。でもオーナーや運営者の顔を見ることができます。
数年以上前からあるコワーキングスペースでオーナーの顔が見えるスペースというのは、〇〇スペースの■■さんみたいに認知されています。私もUmidassの秦さんみたいな感じで伝わっていますし、私に会うために来ていただける人もいます。大手のスペースではないことだと思います。
結論はないです。。これからどうなっていくのだろうなと思いつつ、小さなスペースが残ってほしいなと
今回の投稿に結論はないです。これからどうなっていくのだろうなと思っています。
ただ、かつて街中にあふれた喫茶店がカフェに追いやられてしまったように大手のスペースばかりという状態になってほしくないなと思います。