コワーキングスペースは、日本全国で増えています。当社で運営しているコワーキングスペースのポータルサイト cocopo は、コワーキングスペースを紹介するポータルサイトとしては、日本最大の掲載件数と自負していますが、現在の掲載件数は672件(2017年9月時点)です。
もともとcocopoは、2015年の8月に日本にあるすべてのコワーキングスペースを紹介しようと運営を開始しました。すべてのコワーキングスペースの掲載を目指しているので掲載料は無料です。
cocopoをリリースする時点で、当社で見つけたコワーキングスペースをすべて掲載しました。2015年8月時点で300件弱の掲載件数でした。
現在は、2倍以上の掲載件数となっています。もちろん2015年8月時点で見つけることができていなかったスペースもありますが、それ以上に新規開業するコワーキングスペースが増えています。
2017年に入ってからは、毎月5~10件ほどの掲載依頼が来ます。
ちなみに以前は、当社でWEBやSNS等で新規オープンのコワーキングスペースを探して、こちらから掲載のお願いをしていましたが、最近ではcocopoのアクセス数も増え、認知も高まりオープン前に掲載依頼をいただけるようになりました。
コワーキングスペースは増えたが、そもそもコワーキングスペースの定義とはなんなのか?
ただ、掲載依頼をいただいてから、掲載作業をするために、そのコワーキングスペースのホームページなどを見ると「これってコワーキングスペースなのか?」と思うことも増えてきました。どうしてもコワーキングスペースとして紹介するのは難しいと思う依頼については掲載をお断りしています。
そもそも、コワーキングスペースというものの定義が曖昧なので、なかなか線引きできません。ですから、cocopo上で公式にその線引きを発信するのは難しいです。ですので、ここで私の考えているコワーキングスペースはどういうものかということをまとめたいと思います。
料金体系やハード的な設備ではコワーキングスペースかどうか判断できない点がややこしい
私はもともとコワーキングスペース利用者だったのですが、コワーキングスペースUmidassを運営開始するまでに利用したことのあるコワーキングスペースは、高槻のI'll beと埼玉の大宮にある7Fだけでした。
ビジネスとしてコワーキングスペースの運営を考えるのであれば、もっと研究をしてから運営を開始すべきかと思いますが、そもそも私がコワーキングスペースを運営してるのは私自身が必要だと感じたからです。
▼そのあたりのことは昨日の記事に書きましたのでよろしければお読みください。
Umidassを運営開始してから、コワーキングスペースのポータルサイト cocopo の運営をすることにしました。(cocopo運営の経緯については別の機会に書きます。)で、その時にコワーキングスペースについていろいろ調べたり、検討した結果、当初、考えていたコワーキングスペースの定義は以下の2点でした。
- コミュニティが存在する=オープンなスペースがあり、他の利用者とコミュニケーションできる状況になっている
- ドロップイン利用ができ、いつでも誰でも利用できる
ですが、まず、後者の「ドロップイン利用の有無」については、これを条件とするのは難しいと感じました。コワーキングスペースの設立目的によっては、不特定多数が利用できるドロップインという利用方法が無いスペースが多々あったからです。例えば、「女性専用のコワーキングスペース」や「子育てママを応援するコワーキングスペース」など不特定多数が利用しないことを安心感として打ち出しているケースです。
で、これはシェアオフィスではないのかとも思ったのですが、コワーキングスペースと名乗って運営していて、利用者もそのように認識しているのであれば、それはコワーキングスペースだろうという判断をしました。
そうなると条件としては、「コミュニティが存在する=オープンなスペースがあり、他の利用者とコミュニケーションできる状況になっている」だけになります。
本当は、コミュニティが存在するかどうかということを重視しているのですが、コミュニティというものは目に見えませんし、人によって求めているものも異なります。本来的なことを言えば、実際にスペースを訪問して利用してみないとわからないのですが、そういうわけにもいきませんので、コミュニティができるためのレイアウトにされているかどうかという点で判断しています。
例えば・・・下記のようなレイアウトです。
逆に、下記の写真のようにがっつりパーティションで区切られていたり、部屋自体が個室になっているとコミュニティを発生させようとは考えていないと言えます。
ですが、仕事や勉強をするためのワークスペースでは集中するために、コミュニケーションは発生しにくくなっているが、ラウンジスペース等、コミュニティを発生させるためのエリアとは区別しているスペースもあります。
そうなると、レンタルオフィスにもそういうエリアがあるということを言われると「うっ」ってなってしまいます。
コワーキングスペースと名乗っていてもコワーキングスペースとして紹介していないケース
上記のようなことを考えながらcocopoに掲載依頼があったスペースを線引きしてます。線引きが曖昧ながら、これまでcocopoに掲載依頼があった中で掲載をご遠慮いただいたことがあります。その実例をあげてみます。(施設名は出しません。)
- レンタルオフィスの中にコワーキングスペースがあると謳っているが、そのスペースの写真がない(流行りだからとか、SEO対策のように見える)
- 組織や団体が利用するスペース(2名以上で利用するオフィススペース)がメインで個人利用できるスペースがほとんどない
- オープンなスペース(デスク)がなく、全席ブース席
特に1つ目のケースが多いです。一方で、同じような形であっても、1人で単独で利用できるエリアがあれば、掲載をしています。また、明確に施設名称がコワーキングスペース○○となっているとその運営がよほど外れていなければ掲載をご遠慮いただくのは難しいので掲載してます。
コワーキングスペースと一口に言っても、その運営の主旨や方針はスペースによって異なります。このあたりがカフェや図書館と異なりコワーキングスペースの利用のハードルになっています。
そのハードルを下げるために、cocopoでは取材をしたり、クチコミ投稿をできるようにしています。これから、もっとコワーキングスペースが増えていくと思いますので、たくさんの人が利用されるようになれば良いなと思います。