前回まで、持続化補助金の解説動画を3本公開しましたが、今回はその補足として「ChatGPTを使って持続化補助金の計画書を作る方法」をご紹介します。 商工会議所などでの相談業務をしていると、ChatGPTで計画書を作ったという相談が増えてきており、その中身を見ると「最低限のことは書けているが採択には遠い」という印象を受けるケースが多いです。 ChatGPTを使うこと自体は全く問題ありません。むしろ、使い方次第でかなり良いものが作れます。

専門家が補助金の計画書を作るときのステップ

私たち専門家が補助金の計画書を作るときには、以下の4つのステップで進めています。ChatGPTを使う際にもこの流れが有効です。

  1. 公募要領を理解する
  2. 内部環境・外部環境の把握
  3. ストーリー構成(強みを活かす or 課題を克服する)
  4. 実際の文章化(計画書の作成)

それぞれのステップにChatGPTがどこまで使えるかを見極めていくことがポイントになります。

ステップ1:公募要領を理解させる

ChatGPTを使うときは、まず自分で公募要領をしっかり読み込み、そのうえでChatGPTに以下のように指示します:

使用プロンプト例:

持続化補助金の事業計画を作るので、公募要領を確認してください。
確認したうえで、補助金の目的や審査基準、採択されやすいポイントなど、重要な点を簡潔にまとめてください。

さらに、以下のように事業計画で求められる記載項目と文字数も伝えると、ChatGPTが理解しやすくなります。

使用プロンプト例:

事業計画で求められている記載項目と文字数は以下の通りです。把握してください。

■項目と文字数:
・1-1. 自社の概要:4,000文字
・1-2. 現在の売上・利益の状況:4,000文字
・1-3. 経営課題:4,000文字
・2-1. 市場の動向:4,000文字
・2-2. 顧客ニーズ:4,000文字
・3. 強み・弱み:4,000文字
・4-1. 経営方針・目標:4,000文字
・4-2. 今後のプラン:4,000文字

ステップ2:内部・外部環境を調査する

このパートは、ChatGPTと人間側の共同作業です。

ChatGPTにできること:

  • 自社のホームページ情報やインターネット上の評判を調べる
  • 市場の動向、競合のリストアップと特徴分析

ChatGPTにできないこと:

  • 売上推移、利益率、顧客属性などの内部情報
  • 自社の強み・弱みや経営者の想い

使用プロンプト例:

HATA中小企業診断士・行政書士事務所について、インターネット上でわかることを調べてください。
近隣の競合事務所をリストアップしてください。

ステップ3:ストーリーを構成する

補助金の採択可否は「ストーリー設計」に大きく左右されます。ChatGPTには構成の補助は頼めても、核となる考え方は人間側で設計する必要があります。

今回のストーリー例:

  • 中小企業診断士業務は公的支援に依存し、業務量に季節変動がある
  • 相続業務は個人相手で時期に左右されにくい
  • 僧侶という信頼性を活かして相続業務へ参入

ステップ4:実際に計画書を書く

実際に計画書を作成する際は、1項目ずつChatGPTとやり取りをしながら丁寧に進めます。

使用プロンプト例:

1-1.自社の概要を4,000文字で作成してください。
以下の見出しをつけてください。
【設立の経緯】
【代表の経歴】
【創業までの経緯】
【サービス内容】

完成した文章はWordなどにコピー&ペーストして保存し、あとで画像を入れたり文字数を調整したりして整えます。

ChatGPT活用のコツ

  • 「一発で完璧に作らせる」のではなく、「壁打ち相手として使う」意識で進める
  • 見出しを明示すると、読みやすい構成になる
  • 指示は「文字数を100文字減らして」よりも「2割減らして」などの方がうまくいく
  • 仕上がったら「審査項目の観点から漏れがないか?」と確認プロンプトを入れるとよい

最終的には、ご自身の考えとChatGPTの補助を組み合わせて、採択レベルの計画書に仕上げていくことができます。

まとめ

ChatGPTは、あなたの「頭の中の考えを整理して、整った文章にしてくれるツール」です。 単なる文章生成マシンではありません。うまく使えば、専門家に頼らずとも、採択レベルの計画書作成が可能です。

ぜひ、この記事とプロンプト例を参考に、持続化補助金の申請にチャレンジしてみてください。

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