コワーキングスペースは仕事する場所というわけでもなく、自習室としてもメリットが多い
コワーキングスペースを勉強目的で利用する人は、資格勉強中の社会人から受験勉強中の高校生までさまざまです。私が運営するコワーキングスペースUmidassを勉強目的で利用している人から聞いた話をまとめてみました。まずは、勉強場所として利用されるケースの多い、自宅、資格学校・予備校の自習室、カフェ・図書館、有料自習室別に特長まとめました。
- 自宅での勉強は誘惑や家族の邪魔が入る
- 資格学校や予備校の自習室は距離に問題があるケースが多い
- カフェや図書館は長時間利用が禁止されている
- 有料自習室は月額料金のため利用しにくい料金体系。また、場所の提供しかされない
自宅での勉強はさまざまな誘惑があったり、家族がいるとなかなか手中できずに捗らない
勉強というと自宅ですれば良いじゃないかと思うかもしれませんが、自宅は集中して勉強をするのは難しいものです。自宅だとテレビや漫画や趣味のことに誘惑されるという問題であったり、家族に干渉されて集中しきれないということが多いです。
特に家族を持つと、子供部屋のように自分専用の書斎がある人は少なく、どこかで勉強をしていても家族から家事の手伝いをお願いされたりします。特に小さいお子さんがいると長時間集中した時間を取るというのはなかなか難しいです。子供がある程度の年齢になると子供が宿題等をしているときに一緒に勉強するということもできなくはないですが、子供が低学年だと子供はすぐに宿題を終えてしまいますし、一方で中学生以上になると悲しいことに子供から拒否されたりしてしまいます。
このような点から、自宅以外の勉強場所を探している人は意外と少なくありません。
予備校や資格学校の自習室に通うのは距離があって難しいケースも多い
受験勉強中の高校生や、資格取得の勉強中の社会人の人の多くは、予備校や資格学校に通っています。予備校も資格学校も空き教室を自習室として開放しているケースが多いです。
予備校や資格学校で勉強をすると講師、友人などがいるため、わからないことを質問したりできるというメリットはあります。一方で、友人に邪魔されるということもあります。
予備校や資格学校の自習室で勉強する場合のデメリットは場所の問題であることが多いです。特に社会人の場合には、仕事帰りに受講しやすい場所を選ぶことが多いです。そうなると休日にはわざわざ長い時間をかけて移動しないといけなくなります。
予備校や資格学校の選択基準は、合格できるように教えてくれるか、合格できる仕組みがあるかが重要ですので、どうしても自習のためだけに行くとなると時間がかかったりしてしまいます。
カフェや図書館は、そもそも勉強場所ではなく長時間利用を禁止しているケースも多い
自宅意外の勉強場所というとカフェや図書館をイメージする人が多いと思います。ですが、意外とイメージのようにいかないものです。
まず、社会人にしても高校生にしても、勉強時間は大きく3つです。
- 土日等、会社や学校が休みの日に朝から夜までがっつりと勉強
- 会社や学校の始業時間前の早朝に勉強
- 会社や学校の終業後、就寝までの間に勉強
このような時間帯というのは、そもそもカフェや図書館では勉強が難しいことが多いです。
早朝や夜は、カフェはともかく図書館はそもそも営業していません。また、土日については多くのお客さまがいるので、常識的な感覚を持っていれば、長時間にわたって場所を占拠するのは居心地が悪いものです。そもそもお店や図書館によっては長時間の利用を禁止しているケースもあります。
また、社会人の人がカフェで勉強するデメリットとして、会社の近くのカフェで勉強していると、会社の同僚や上司、部下などに勉強しているところも見つかるという問題もあります。会社で資格取得の勉強をしていることを公言できる場合には問題ないですが、会社にばれたくないという場合には、一番大きな問題とも言えます。
自習利用を禁止している図書館が増えている
次に図書館の場合ですが、最近では多くの自治体で図書館での自習利用を禁止しています。そもそも図書館の自習エリアというのが図書館の蔵書を読むためや、持ち出し禁止の資料を見る場所として提供されていることが多く、1人の人が長時間にわたって座席を占拠するということに対しては本来の利用者からのクレームも多いそうです。
有料自習室は月額料金のところが多く、一時利用しにくく、管理人不在なので不安感がある人も多い
次に考えるのは有料自習室です。最近では、勉強する社会人が増えたこととビルの空きテナントの活用として都心部だけでなく郊外にも有料自習室が増えています。
有料自習室は、事業上の観点から、管理人不在の無人営業のところが多いです。カフェのようにお客さまの回転が良いわけでなく、接客もほとんど不要なのでコアな時間帯を除いて、管理人不在で利用者はカードキーなどを利用して入室して利用するところが多いです。逆にそのような運用体制のため、24時間営業のところも多いです
そのような営業体制のため、利用者は基本的に月額での契約となります。社会人の場合、仕事の状況によって月によっては利用する時間が少なかったり、そもそも勉強に使える時間が少ないので月額を払うほどではないという人も多いです。
また、管理人不在のため、特に女性の場合には、セキュリティ的な不安を感じる人も多いそうです。多くの自習室では座席がパーティションで区切られています。集中していると周りが見えないのですが、お手洗い等でふと席から立つとフロアには見知らぬ男性と2人きりという状況もあります。有料自習室では多くの場合、トラブルが無いように防犯カメラなどが設置されていますが、それでも不安を感じるということで私の運営しているコワーキングスペースを利用している女性は多いです。
コワーキングスペースは一時利用もでき、コミュニケーションが発生しているので人間関係のある中で利用できる
最後にコワーキングスペースを勉強場所として考えた場合の特長やメリットです。そもそもコワーキングスペースを運営している立場なので、コワーキングスペース推しになっている点はご了承ください。
一時的な勉強場所として利用しやすいドロップインという料金体系
まず、多くのコワーキングスペースは一時利用の料金体系があります。コワーキングスペースではこのような利用形態のことをドロップインと呼びます。
コワーキングスペースによってドロップインの料金体系はさまざまですが、1時間200~500円ぐらいで、1日利用だと1,000~2,000円くらいのところが多いです。試験前の短期間だけ利用したい人や、仕事の都合などで月によって利用できる時間にばらつきがある人は月額での契約をしなくても済みます。
スペースの管理人(スタッフ)が常駐しているので安心感があり、メリットのある出会いも誘導してくれる
多くのスペースは仕切りの無いオープンなスペースで、スペースのスタッフがいます。ですので、、見知らぬ人と2人きりという状況は少ないです。また、コミュニティレベルはスペースによりますが、多くのスペースであいさつを交わす程度の人間関係ができます。その点でも安心感を覚える女性が多いようです。
求めれば勉強仲間が見つかったり、将来の仕事につながったりする
また、スタッフがいることから、スタッフとコミュニケーションをとれば、必要な人との出会いを促進してくれます。私の運営するコワーキングスペースで勉強関係で出会いを提供したケースとしては。
- 進学先に悩んでいる高校生に卒業生や大学に詳しい人を紹介
- 資格取得勉強中の人にすでにその資格を持っている人を紹介
- 資格取得後に仕事として繋がれる人を紹介
といったこともります。また、上記のようにストレートな形での人間関係だけでなく、スペース内には仕事や勉強に集中している人が多くいるので、あの人も頑張っているから自分も頑張ろうと思えるメンタル的な効果もあります。
勉強に集中できるのはオープンなコワーキングスペースなのか静音重視の有料自習室なのか
コワーキングスペースはオープンなスペースが多く、会話などがOKの場所も多いです。会社の事務所をイメージしてもらうと良いかもしれません。集中して作業している人もいれば、電話している人もいるという感じです。
一方で有料自習室はパーティションで区切られ静音性を高めているところが多いです。そのため、パソコンどころか電卓も利用できないところも多いです。コワーキングスペースでもオープンなスペースと集中スペースで区切っているところも多いです。
どちらの方が勉強に適しているのかという点については個人差があります。ぱっと考えると静かな空間の方が集中できるように思いますし、実際に静かな空間でないと集中できないという人も多くいます。一方で脳科学的には人間は集中するためにある程度の雑音が必要という研究結果もあり、自然音のBGM程度が大事という説もあります。
この点については学説的なことだけでなく個人差もあるので、ベストな環境は個々人で見つけてもらう必要がありますので結論はないです。
勉強に特化しているコワーキングスペースもある【勉強カフェの紹介】
勉強に特化しているコワーキングスペースもあります。「勉強カフェ」というスペースで全国展開中です。有料自習室がコワーキングスペースぽく運営しているのか、コワーキングスペースが自習室ぽく運営しているのかは知りませんが、客観的には前者のように思います。
勉強に集中できる環境だけでなく、目標達成のためのさまざまな仕組みが導入されています。その様子を以前に取材記事として書いたので良ければ読んでください。こちらは大阪本町の勉強カフェの取り組みですが、地域によって地域性に合わせた取り組みをしているそうです。
逆に事業者しかターゲットとしていないコワーキングスペースもあるのでその点には注意してください。
郊外のコワーキングスペースは勉強目的利用者が多いかも
コワーキングスペースと一口に言ってもさまざまな運営方針を持っています。ほとんどの利用者が起業家やフリーランスしかいないコワーキングスペースもあります。
その中でも郊外のコワーキングスペースは勉強目的利用者が多いようです。私が運営しているコワーキングスペースUmidassも郊外ですが、3分の1ほどの利用者の方は勉強目的です。
全国のコワーキングスペースが私が運営しているコワーキングジャパンにて検索できます。(日本最大の掲載件数です!)ぜひ、活用してみてください。