令和6年度の補正予算案が2024年12月17日に成立したことで2025年に実施される補助金があきらかになってきました。

コロナ禍で事業再構築補助金などの新たな補助金だけでなく、既存の「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」も公募回数が増加するなど事業者が補助金を活用しやすい環境になっていました。

しかしながら、コロナ禍で支援を優先したことなどの弊害で不正や補助金にそぐわない事業が採択されているのではないかという批判もあり、2024年は各補助金の公募回数が減ることとなり、今後は、補助金が無くなるのではないかと言われていました。

そんな中で、2024年末に成立した補正予算案ですが、結果的には従来通りの形で補助金が継続されることとなりました。

すでに経済産業省のホームページでは各補助金のリーフレットが公開されていますので、詳しくはそちらを参照していただければと思いますが、ここでも簡単に説明をさせていただきたいと思います。

▶経済産業省の各補助金のチラシ一覧はこちら

2025年に公募予定の補助金一覧と概要

現時点で経済産業省のホームページで公開されている補助金は以下のとおりです。

  • 省力化補助金
  • 中小企業成長加速化補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  • 持続化補助金<通常枠>
  • 持続化補助金<創業枠>
  • 持続化補助金<共同協業型>
  • IT導入補助金
  • 事業承継・M&A補助金
  • 新事業進出補助金

省力化補助金

人手不足解消に効果があるロボットやIoTなどの製品を導入するための経費を国が補助することにより、簡易で即効性がある中小企業の省力化投資を促進し、売上拡大や生産性向上を図るとともに賃上げにつなげることを目的とした補助金となっています。

カタログ型の補助金で補助率は1/2となっています。

カタログ型のため、販売事業者が申請・手続きを支援してくれ、他の補助金のように複雑な事業計画はいらないため、 導入予定機器が登録されている場合には、活用しやすい。一方で、導入機器が登録されていない場合には活用できず、販売事業者も限られる補助金です。

中小企業成長加速化補助金

売上高100億円を目指す、成長志向型の中小企業の大胆な設備投資を支援する補助金。

補助額の上限は5億円と大きな規模となりますが、売上高100億円を目指す宣言をする必要や、そのための具体的な事業計画を策定する必要があるため、条件はかなり厳しい補助金となると思います。募集要領は、令和7年2月公開、申請開始は、令和7年5月とされています。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けた新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等に対する補助金。

補助率、補助上限額は以下のとおりとなっています。

革新的な製品・サービスの開発または生産プロセス等の省力化のための設備投資・システム構築が対象となります。代表的な特徴は以下のとおりです。

  • 機械装置・システム構築費が主たる対象
    • 宣伝広告費は対象とならないので注意
  • 給与支給総額、事業場内最低賃金の増額が条件
  • 第18次から新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる計画が必要
  • 補助申請額が一定規模以上の事業者は口頭審査
  • 収益納付がなくなった

小規模事業者持続化補助金<通常枠><創業枠><共同・協業型>

小規模事業者持続化補助金は従来通りの形となっています。

創業枠の条件は、「特定創業支援等事業による支援」を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間であること。となっています。特定創業支援は、商工会議所によって実施時期、方法が異なること、受講開始日から最低でも1カ月は必要となるため、検討している人は早めに商工会議所等への相談が必要

IT導入補助金

IT導入、DXによる生産性向上を支援する補助金です。カタログ型のため、活用できる場合には販売事業者が対応をしてくれるため、簡単に活用ができますが、販売事業者がカタログ登録をしていない場合には活用できません。

・カタログ型の補助金で補助率は1/2~4/5
・補助額は最大450万円
・カタログ型のため、販売事業者が申請・手続きを支援してくれ、他の補助金のように複雑な事業計画はいらない
・導入ソフトや販売事業者が登録されていない場合には活用できず、販売事業者も限られる。

事業承継・M&A補助金

大きく4つのパターンの補助があります。

  • 事業承継促進枠:5年以内に事業承継を予定している場合の設備投資等に係る費用
  • 専門家活用枠:M&A時の専門家活用に係る費用(フィナンシャル・アドバイザー(FA)や仲介に係る費用、表明保証保険料等)
  • PMI推進枠:M&A後の経営統合(PMI)に係る費用(専門家費用、設備投資等)
  • 廃業・再チャレンジ枠:事業承継・M&Aに伴う廃業等に係る費用(原状回復費・在庫処分費等)

補助率は、1/2~2/3、補助上限は、1,000万円となっているが、枠によって補助率や上限が異なるので注意。

中小企業新事業進出補助金

事業再構築補助金の後継となる補助金

詳細はわからないが、事業再構築補助金と同様に既存事業とはことなる新市場への進出に係る設備投資等を支援する補助金と思われます。

わかっていることは、下記概要のように補助率は、1/2で補助上限は、最大9,000万円

また、下記の点は別資料からわかっています。

  • 令和7年4月までに公募開始
  • 令和8年度末までに4回の公募
  • 採択予定件数は6,000件

また、事業再構築補助金とわかっている違いとしては、以下の点があります。

  • 収益納付が求められない
  • 補助下限が750万円