開業時の銀行口座の選び方|信用金庫とネットバンクをどう使い分ける?
事業を始めたばかりの頃、「どの銀行で口座を作ればいいのか」「メガバンクが安心?」と悩んだ経験はありませんか?
実は、銀行口座の選び方によって融資や資金繰りのしやすさが大きく変わることがあります。
本記事では、中小企業診断士としての経験を踏まえながら、開業時におすすめの銀行口座の構成(信用金庫2つ+ネットバンク1つ)と、それぞれの役割・使い分け方についてわかりやすく解説します。
なぜメガバンクではなく信用金庫なのか?
開業したばかりの頃、メガバンクに口座を作ろうとして「門前払いされた」という話をよく耳にします。
その理由は、メガバンクは大企業や法人向けのサービスに注力しているため、個人事業主や創業間もない法人に対しては対応が厳しい傾向にあるからです。
一方、信用金庫は地域密着型。創業者や小規模事業者にも親身に対応してくれます。
- 担当者がついて継続的なサポートが受けられる
- 地域の補助金・融資制度にも詳しい
- 取引の実績が融資審査に直結する
こういった理由から、開業時にはメガバンクよりも信用金庫を優先的に選ぶことをおすすめします。
おすすめの口座構成:信用金庫2つ+ネットバンク1つ
中小企業診断士としての経験から、開業時の銀行口座構成として最もバランスが良いと感じているのが、次の3口座体制です。
- 信用金庫A(本命の融資先・メイン口座)
- 信用金庫B(将来的な比較先・予備)
- ネットバンク(日々の振込・支払用)
それぞれの役割について、詳しく説明します。
① 信用金庫A|融資や公的制度の利用を見据えた“育てる口座”
最も大事なのがメインの信用金庫口座です。ここを通じて入出金や経費の支払い、売上の入金などを集中させ、「事業の実績」を積み上げていきます。
この実績があることで、創業融資・設備資金・運転資金などの融資にスムーズにつながる可能性が高まります。
② 信用金庫B|金融機関の選択肢を増やす“サブ口座”
将来、メイン行との関係に何らかの変化があった時に備え、2つ目の信用金庫口座を開設しておくのも重要です。
事業が成長すると、複数の金融機関と付き合いが必要になることもあります。あらかじめ関係性を作っておけば、選択肢が広がります。
③ ネットバンク|日常業務に便利な“スピード口座”
振込手数料が安く、ネット操作で完結するネットバンクは、日々の支払い・送金にとても便利です。
例えば、振込先が多い業種や外注費の支払いが頻繁にある場合、振込コストの差が大きくなります。
また、クラウド会計ソフトとの連携もスムーズなので、経理効率化にもつながります。
まとめ|銀行口座も“戦略的に”使い分けよう
開業時に口座をどう作るかは、事業運営や資金調達に大きな影響を与えるテーマです。
「信用金庫2つ+ネットバンク1つ」という体制で、それぞれの役割を活かしながら口座を“育てていく”ことが、安定経営への第一歩になります。
最初はどれか1つからでもOKです。地域の信用金庫やネットバンクについて調べて、まずは一歩踏み出してみましょう。
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