コワーキングスペースやカフェで仕事する場合にセキュリティを気にされる方は非常に多いと思います。コワーキングスペースやカフェで起きうるセキュリティ的な問題と対策をまとめてみました。基本的にコワーキングスペースを前提に書いていますが、カフェの利用でも応用できると思います。
コワーキングスペースやカフェにおけるセキュリティ問題と対策
コワーキングスペースは共用オフィスになりますので、当然のことながら自社の社員しかいないオフィスと比べるとセキュリティ上の問題が発生します。
パソコンやスマホ、財布等の私物が盗まれるという問題
セキュリティというとネットワークやパソコンの扱いという話になりがちですが、もっとも発生しやすく問題になるのはパソコンやスマホ、財布等の私物が盗まれるということです。
この問題はデスクに座って仕事をしているときには発生することはほとんどありません。トイレに離席、ランチ等の食事で外出、ドリンクを取りにいく、近くの人と談笑している際などに発生する可能性があります。すべての持ち物を肌身離さずに持ち歩けば問題ないですが、少し席を外すだけでパソコンをカバンに入れたりするの少々難しいかと思います。
この場合の対策としては大きく2つの方向が考えられます。
物が盗まれにくい環境のコワーキングスペースを利用する
少々、語弊のある表現になりましたが、一口にコワーキングスペースと言ってもさまざまです。不特定多数の人が大勢出入りするスペースもあれば、ほとんど見知った人しか出入りしないスペースもあります。
小規模なスペースやスタッフが常駐しているコワーキングスペースを利用する
物を盗むということはしやすい環境としにくい環境があります。特定の人物に狙われている場合は別として、出来心のような盗み行為の発生は環境に左右されます。
結論から言うと、小規模なコワーキングスペースやスタッフが常駐しているスペースでは盗み行為の発生確率は低くなると考えられます。
私が運営するUmidassもなのですが、ドロップインの利用者も含めて、ほとんどの利用者が顔見知りです。また毎日のように利用している会員の方が常に数名います。そのような環境で盗むというのはハードルが高いと思います。
また、スタッフの人が常駐しているスペースも同様です。ただ、スタッフが常駐と言っても、利用者が見えない受付にしかいない場合にはあまり意味がありません。利用者が見える場所にスタッフの人が頻繁に出入りしていると安心です。
物理的に盗めない、盗まれても気づける状況を作る
もう一つの方法は物理的に盗めないようにするということです。
ノートパソコン等をワイヤーで机から取れないようにする
ノートパソコンであれば、ワイヤー等でデスクから取れないようにすることで盗まれにくくなります。有名なところではケンジントンのセキュリティロックがあります。購入時にはお持ちのパソコンのセキュリティロックとの相性を確認するのを忘れないでください。
荷物を監視するツールを使うという方法もあります。個人的には最近KING JIMから発売された「TRENE(トレネ)」が気になっています。スマートフォンと連携させて、物が動かされたりした場合にスマートフォンに通知されるというグッズです。ワイヤーを机に括り付けていると物々しいですし、感じ悪く思わそうという人もいると思いますが、「TRENE(トレネ)」であればさりげなく監視することができ、トイレやドリンクコーナー等への離席であれば十分に対応可能です。
キングジム(KINGJIM) 2018-02-23
コワーキングスペースのロッカーを利用する
パソコン等のデスクに置くもの以外はコワーキングスペースのロッカーを利用できる場合もあります。1日数百円で提供してくれるスペースもありますので、そういったスペースではロッカーを借りてしまって必要最低限のものだけを出しておくというのは一つの方法です。
万が一、盗まれてしまった場合の対策もしておく
万が一、盗まれてしまった場合の対策をしておくというのも一つの方法かもしれません。例えば、「パソコン自体にはデータを保存せず、会社の端末をリモートで接続することでパソコンが盗まれても情報セキュリティ的なダメージがない状態を作る」という方法であったり、「スマホが盗まれてもGPSで追跡できるようにしておく」という方法です。
パソコン端末からの情報漏洩
次にパソコン端末からの情報漏洩という問題です。
パソコンのモニタからの覗き見を防止する
最もシンプルな方法でありながら、情報を盗むということについては効果的な方法はパソコンのモニタを覗き見するということです。情報漏洩の問題だけでなく、休憩中のブラウジングなども見られたくないものです。この防止には、
覗き見防止のフィルターを貼る
ストレートな対策になりますが、覗き見防止のフィルターを貼るという方法があります。
非常にシンプルな対策ですがゴルゴ13のように背後を取らせないという方法です。コワーキングスペースのレイアウトにもよりますが、覗き見されにくい座席というのは必ずありすので、そういった席に座るという方法です。)
パソコン自体にセキュリティ対策を施し情報を取れなくする
パソコンを盗まれたりしなくとも離席している間にログインされたり、USBメモリなどを使ってデータを抜かれる可能性もあります。アナログな方法ですが、映画や海外ドラマなどでもよく使われる手法です。特にコワーキングスペースの場合、イベントや珍しい人が来た、誰かが何かのデモンストレーションをしている等の理由でほとんどの利用者が一点に注目している場合などは要注意と言えます。
パソコンへのログインを強化しておく、生体認証を設定しておく
パソコンへのログインに生体認証を使い強化しておくという方法があります。WIndows10であれば、Windows Helloによる生体認証の設定も可能です。パソコン自体に指紋認証リーダーなどが無くてもマウスコンピューターなどがUSB指紋認証リーターを販売しているのでこういったものを利用するという方法があります。
USBポートを利用できないようにガードする
USBポートにUSBメモリを挿してデータを抜かれないようにする対策はUSBポートを使えないようにしてしまうという方法があり、専用グッズがあります。最近では大手企業などはもともとUSBポートを使えないようにしているケースも多いようですね。
ネットワーク経由での情報漏洩、ハッキング問題
最後に紹介するのが少々やっかいな問題で、ネットワーク経由での情報漏洩やハッキングに対する対策です。これまであげてきた問題と異なり目に見えにくいことですので対策も少々やっかいです。ネットワークのセキュリティ設定の問題もありますが、それを確認するのが難しかったり、もし、問題があっても対応するのは難しいので除外しています。
ECサイトを利用しない、クリティカルな情報を流さない
ネットワーク経由と一口に言ってもさまざまな形があるのですが重要な情報は流さないという方法は一つの対策になります。
コワーキングスペースのWi-Fiは使わない
コワーキングスペースに限った話ではありませんが、カフェなどを含め、誰が使っているのかわからないネットワークには接続しないというのはもっとも有効な対策になります。ネットワークはモバイルWi-Fiなどを使うという形で対策をするという形になります。