ビジコンの開催が増えています。ビジコンとは、ビジネスコンテスト、ビジネスアイデアコンテストの略で、ビジネスのアイデア、企画等に関するコンテストです。
個人的には、あまり人前で発表したりするのは好きではないので、応募することはあまりないのですが、ビジコン大阪というビジネスコンテストに縁あって応募しました。結果は、約250通の中から、最終選考まで残ることができ、大勢の人の前で最終プレゼンをおこないました。結果的には、上位3位までには入れなかったのですが、関係者に聞くと4位か5位だったということでくやしい結果でした。
今回、私は初めて応募したのですが、上位3名のうち、2名はビジコンの常連で、各所のビジコンで上位を獲得している人でした。ビジコン終了後に、すべての審査員と個人的に話をさせていただく機会をもらうことができました。この経験を踏まえて、ビジコンで上位に入るためのコツをまとめました。
ちなみに私が参加したビジコンはこちら。毎年開催されているようです。
http://www.akindo-juku.gr.jp/bizcon/
ビジコンで優勝、選考に残るためのするためのコツ 5点
ビジコンで優勝、選考に残るためのするためのコツとして5点あります。順に説明していきましょう。
ビジコン主催者の意図を組み、主催者や協賛、協力のメリットのあるアイデア、訴求にする
ビジコンというものには当然ながら主催者がいます。主催者は企業の場合もあれば、何かしらの団体や自治体などのケースもあります。いずれの場合にも、ビジコンを開催する以上、主催者には目的やメリットを求めています。その目的やメリットに沿ったアイデアであることがベストです。また、同じアイデアであっても、訴求ポイントを主催者の目的、メリットに沿った形にする必要があります。では、主催者の目的、メリットはどうすればわかるのかというと、ビジコンの募集要項や開催趣旨をよく読むことです。同じアイデアであっても、開催趣旨に沿っているかどうかによって選考結果が左右されます。
例えば、私が出したビジコン大阪の場合には、「なにわの経営者があなたの夢の事業化を応援します」というキャッチフレーズですので、大阪の企業に支援してもらえるような訴求が良いと思います。
評価対象はアイデアなのか、結果なのかを理解する
ビジコンには、大きく2つのタイプがあり、ビジネスの企画段階もしくは初期段階におけるアイデアを評価するビジコンと、ビジネスを立ち上げて数年間の結果を評価するビジコンがあります。募集要項や開催趣旨にこのことは明記されている場合もあれば、ぼやっとしている場合もあります。
例えば、私が運営しているUmidassも支援機関となっている「大阪起業家スタートアップ」の場合には、受賞者の賞金が「目標達成型補助金」となっています。その単語のとおり、事業目標に到達すれば一定の補助金を支援してもらえるということです。このことから事業が具体的ですでに動いている必要があることが想像されます。
アイデア勝負であっても実績が重視される。1件の成果、1万円の売上が評価される
ビジネスアイデアが評価されるビジコンであっても、実績は非常に重要です。審査員の立場に立って考えてみてください。自分が評価したビジネスアイデアが泣かず飛ばずというのはそのビジネスアイデアを評価した審査員の評価が傷つく可能性があります。
ですから、実績は重要です。実績があるということは、ビジネスの実現性が高いということを意味するからです。ですが、大きな実績が必要かというと、それはそうではありません。1件受注できている、1万円の売上が上がっている。そういった実績であっても実績ゼロとは天と地の差があるからです。
ぶっちゃけて言うとコンテストの場で発表したことを審査員が精査する時間はありません。(書類審査や最終選考前の審査では精査する時間がある可能性があります。)だからと言って嘘をつくということではなく、小さな実績であっても、それをどのようにプレゼンしていくのかということが大切だと思います。
そのビジネスアイデアをする理由となる個人のバックボーンが必要
ビジコンの主催者にとって、賞を与えたビジネスアイデアがビジコンでだけ発表され、その後、ビジネスとしては動き出さなかったという結果がもっとも恐れていることです。
既に書いた実績とともに重要なのが、そのビジネスを実現しようとする思いがどれだけあるかということです。儲かりそうだからという理由で作られたビジネスアイデアの場合、もっと儲かりそうなビジネスアイデアが出てくると、そちらのアイデアに乗り換えられることが容易に予測されます。また、ビジネスの実現にあたって壁が出てきた場合にも、カンタンに投げ出されてしまう可能性があります。
ビジネスを考案した理由として、発表者個人の経験を通じたバックボーンがあれば、主催者側から見て、途中で投げ出さないであろうという安心感につながるというわけです。
例えば、幼少期から○○に悩んでいたので、この○○を解決するアイデアというようなストーリーです。ポイントとしては、プレゼンの冒頭に1分でも良いので自己紹介を入れることです。そこで、そのビジネスアイデアを実現しなければならないと考えているというストーリーにつなげるということです。
実際には、大したことのない数字でも大きな数字はインパクト
最後は、プレゼン上のコツですが、その分野のことを知っている人から見て、大したことの無い数字であっても、大きな数字というのは、非常にインパクトがあるということです。
○万人のターゲットがいる、○億通りの検索ができる、○千億のマーケットがある、単価は○百万円といったことです。
その分野に精通している人であれば、対したことの無いことでも、審査員にはわからないことが多いのです。私が参加したビジコンでもあったのですが、○億通りの検索ができるというPRしているプレゼンがあり、少し会場が反応しました。しかし、実は多くの検索サイトでは、〇億どころか、〇兆通りの検索ができることが少なくありません。会場にいる多くの人にインパクトのある数字をプレゼンで使っていくというのは一つの方法だと思います。
ビジコンの結果と実際のビジネスの結果は違うことを心にとめておく必要
最後に一番大事なことを一つ伝えておくと、ビジコンの結果と実際のビジネスの結果は違うということです。
途中に何度も書いたように主催者や審査員にとって、避けたい結果というのは、ビジネスが動き出さなかったり、泣かず飛ばずで終わることです。もちろん、ビジネスアイデアですので、さまざまな事情で頓挫することは考慮されていますが、そうなる確率は避けたいものです。
そうなると、革新的なアイデア、実績のないアイデアなどは敬遠されるものです。ですから、ビジコンで評価されなかったからと言って、そのビジネスをあきらめる必要はありません。逆にビジコンで優勝したからと言ってビジネスの成功が約束されるわけでもありません。ビジコンの結果とビジネスの結果は違うのです。
ただ、だからと言って、結果がどうでもよいというわけでありません。優勝したり、上位入賞の結果が残ると、ビジネスの大きな宣伝になり、取材などを受けるチャンスも増えます。そういう意味ではビジネスの成功に近づくことができます。
また、ビジコンの結果が出なかった場合にも、ビジコンの審査員は理解できなかっただけだと終わるのではなく、審査員等にアプローチをして、評価されなかった理由は聞きだしましょう。そこに大きな改善点がある場合もあります。ある程度、選考に残らないと審査員は話を聞いてくれないかもしれませんが、多くの審査員は協力してくれると思います。
ちなみに私がビジコンでプレゼンしたビジネスプランは他社で大きく育ちつつあります
ちなみに私がビジコンでプレゼンをしたアスリートとスポンサーのマッチングサービスは現在は他社に事業譲渡しました。現在は譲渡先でオリンピック選手などの登録が増えており、メディアにも取り上げられ大きく育ちつつあります。譲渡した理由はいくつかあるのですが、そういう手放せるという意味では4つ目のポイントのバックボーンの部分が弱かったのかもしれません^^;