4月10日の日経新聞の『Bizワザ』の記事「共用オフィスを使いこなす」にて、コワーキングスペースの最新事情を知っている人として、インタビュー記事が掲載をしていただきました。
昨年は日経新聞の電子版で紹介いただいたのですが、今回は夕刊で紙面スペースも大きく、写真入りと出世しました^^
記事内容はこちらです。(いつまで記事が掲載されているのかはわからないです。)
スペースの増加、利用者間のコミュニティ、施設の選び方について取り上げられた
日経新聞の記者の方とのインタビューは1時間ほどでした。そのインタビュー内容から「スペースの増加」「利用者間のコミュニティ」「施設の選び方」について取り上げていただきました。
内容の概要と、少し補足をいれたいと思います。
日本全国のコワーキングスペースが2年半で250件から750件に増加
そもそもインタビューを受けたきっかけは当社で「コワーキングジャパン」を運営しているからです。コワーキングスペースのポータルサイトである「コワーキングジャパン」を運営している中で感じていること、得た情報をもとにインタビューに回答しています。
まず、「コワーキングジャパン」(旧ココポ)を立ち上げたのは、2015年8月です。サービスの主旨として、日本全国のコワーキングスペースを網羅することを目的としています。そのため、掲載料は無料としています。(掲載を断られたケースは、過去2、3件ほどでした。)
当初に調べるだけ調べて見つけることができたコワーキングスペースは250件強でした。多少の見落としはあったかと思いますが、多くみても300件ほどだったのではないかと思います。
それが、現在(2018年4月)は750件を超え、800件に迫ろうという勢いです。
この数年で「働き方改革」や「テレワーク」が進み、事業としてのスペース運営が増えてきている
もともとコワーキングスペースは事業としてみた場合には、美味しいビジネスモデルではありません。
それは一口に言うと利用料金が安いということもあれば、ターゲットが限られているということがあります。それでも多くのスペースがあったのは、オーナー(運営者)が必要だと感じて運営していたという側面があったと思います。
ですが、最近では、「働き方改革」や「テレワーク」が進み、会社以外の場所で働く人が増えてきました。また、「コワーキングスペース」というサービスの認知も広がってきました。
WeWorkを代表とする事業としてのコワーキングスペースが増えてきている
そんな中でWeWorkを代表とする事業としてコワーキングスペースを運営する会社が増えてきています。特に企業のサテライトオフィス、海外企業の日本支社等これまでコワーキングスペースの主たる利用者であった個人ではなく企業をターゲットとすることで事業として成立させているスペースも増えています。
コワーキングスペースを運営することによって本業側へのメリットを求めるケースもある
コワーキングスペースの利用者は起業家が多いです。ですから、起業家をターゲットとしている企業が本業のためにコワーキングスペースを運営しているケースもあります。
日本のコワーキングスペースの利用料が安いのは治安が良いから?
コワーキングスペースの利用料が安いと書きましたが、海外のコワーキングスペースの利用料は1日数千円、1時間数百円という価格帯のようです。一方で日本は、1日の利用料金は1,000円~2,000円というのが相場です。
この違いは一つは不動産(賃貸住宅、テナントオフィス)の価格帯の違いもあると思うのですが、日本のコワーキングスペースの場合には、スタバなどのカフェと比べてどうかという形で価格が決まっているという背景があります。
海外ではカフェと比較した価格帯にはなっていません。私は海外経験がないので海外経験が多い人から聞いた話からの想像になりますが、海外では治安上の問題などからカフェで長時間仕事をするということはできないのでカフェと価格比較という考えはないのではないかということがあります。
治安上の問題というのは、日本ではパソコンやカバンを座席に置いてトイレに行ったりするが、海外では考えられないといったことなどです。
利用者間のコミュニティは会社の他部署の同僚や同期というのが私のイメージ
コワーキングスペースというのはコミュニティがあるのがレンタルオフィスとの違いと言割れるケースが多いです。
このコミュニティというのがどういうものかという点についてはスペースや運営者の考えによっても異なってきますが、私のイメージは会社の他部署の同僚や同期という形です。
具体的な例えを出すと、会社における同部署の同僚というのはかなり親しい関係なケースが多いです。仕事上の接点も多く、ランチや帰りに一緒に飲みに行くことも多いかもしれません。コワーキングスペースの利用者間の関係はこれほど濃くはありません。
一方で、他人というわけではありません。他人ではないけども、親しい仲間というほどでもないというのが他部署の同僚や同期とイメージしています。知っているけど、一緒に仕事をするわけでもなければ、誘い合ってランチや飲みに行く関係でもない。でも、お昼にエレベーターで一緒になれば、ランチに一緒に行くかもしれないし、帰宅タイミングが一緒になれば駅まで話をしながら歩く。そういった関係のイメージです。
コワーキングスペースの選び方について
コワーキングスペースの選び方のポイントは日経新聞に書かれたように、どのような立場で利用するかということがあります。
基本的には自分と相性の良いコワーキングスペースを利用するということがベースにあります。相性については実際に利用してみるしかないというのが正直なところです。
問題となる点は、『閉店リスク』
選ぶときに大事なポイントとして「閉店リスク」があります。個人の作業場所や勉強場所として活用するだけであれば、仮に急に閉店になったとしても、その損失はお金にすれば1か月分の利用料ぐらいです。もちろん作業場所、勉強場所が無くなるというダメージはありますが、とりあえず自宅やカフェを利用することで凌ぐことはできます。
一方で、事業の拠点として登記をしていたり、ホームページや名刺、パンフレットなどでコワーキングスペースの住所を記載していた場合には大きなダメージがあります。
その点については下記投稿に書いていますのでよろしければ読んでください。