お寺でコワーキングスペースをする意味。地域コミュニティの中心としての役割。

コワーキングスペースUmidassは私の実家で、私が副住職をしているお寺である安楽寺に隣接しています。厳密にはお寺の敷地内ではありませんが、お寺の中にあるコワーキングスペースと皆さん思われています。

お寺とコワーキングスペースの親和性は高く、お寺本来の在り方なのではないかと感じる

お寺離れが進んでいます。その理由についてはさまざまなことが複雑に絡み合っていると個人的には思っています。

最近では、読売テレビのウェイクアップ プラスで檀家制度を廃止して、お布施金額を明瞭にすることで、収入が4倍になったという埼玉県の見性院というお寺が紹介されていました。確かに収入を増やすことだけを見れば、その方法は正解かもしれません。お寺は維持費が大きくかかるので、一定の収入は必要ですが、他のビジネスと同じ方法で良いのかという疑問を感じます。

金額を明瞭にするのは良いと思う一方でその金額を支払うことができない状況の方を排除することになることに問題を感じます。普通のビジネスであればターゲットを絞るという意味で良いと思うのですが。。

お寺離れにはさまざまな理由が言われるが要はお寺と一般の方の接点が少ないことが問題

お寺離れと言われますが、その理由はさまざまなことがありますが、大きな理由の一つとして坊主丸儲けと言われるようなイメージがあるからです。

1回の仏事で多額のお布施を要求される。戒名料が高いみたいなことを思われています。実際には多くのお坊さんはご相談いただければご家庭の事情に合わせた金額で対応してくれることもあれば、その金額の理由を説明することもできると思うのですが、一般の方がそういったお坊さんと出会うきっかけというのがなかなか無いと思います。

もともとお寺というのは地域コミュニティの中心であったと思います。子供の遊び場であったり、村の集会場といった役割を果たしていたと思います。その中でお寺の人と一般の人がコミュニケーションを取ることができていたと思います。

最近では、普段はお寺と付き合いがないので、お寺との関係性ができていないのに、いざ、ご不幸があると多額のお金が動くにも関わらず、お坊さんも葬儀社も即決していかないといけないため、不満の残る結果となるケースも少なくありません。




コワーキングスペースを運営してみてお寺との親和性が高いと感じる

そんな状況を改善するという意味でも、コワーキングスペースという方法は、非常にお寺と親和性が高いのではないかと思っていたりします。もちろんUmidassを運営している理由は以前に書いたように別の理由が大きいです。ですが、運営前から少しだけこのような考えは頭の中でよぎっていたのですが、自分自身も懐疑的でした。

実際にUmidassを運営してみると、時折ですが、仏事についての相談を受けます。住職が親族の方のお葬式をさせていただいた方もおられます。

お寺にわざわざ相談に行くとなるとハードルが高いですが、普段利用しているコワーキングスペースで相談できるとなると一気にハードルは下がります。

雑談のような感じで仏事について私に相談をされる方がいます。状況や内容によっては、安楽寺の住職(私の父です)を呼んでお話をさせていただくケースもあります。

ご不幸があってからではなく、もう厳しいと言われているんですが。。。というような形で相談を受けますと、そういった場合には、比較的時間も取りやすく、お互いに落ち着いて話をすることができます。

また、安楽寺の宗派は浄土宗ですが、別宗派の方でもできる限りのお答えをしており、必要であれば、他の宗派のお寺さんを紹介したりもします。

お寺としてもコワーキングスペースは運営のハードルが低く、地域貢献にもなる

お寺が地域と関係が強くなる事業を運営されているケースとして、一番多いのは、幼稚園・保育園だと思います。次に塾、その次にレンタルスペース的な感じでイベントをしたりという形かなと思います。その中でも幼稚園や保育園は実際にやるのはハードルが高いです。お寺の立地やお寺の広さによっては不可能なケースも多いです。塾もそれなりにハードルがあるかなと思います。

コワーキングスペースは、比較的運営のハードルも低く(収益を上げるハードルは一番高いかもですが。。)、利用者の方とコミュニケーションを取れるサービスとして最適ではないかと思います。

また、普段は使っていない場所を地域に開放することは地域貢献にもつながります。

お寺でコワーキングすることに興味があればお手伝いします

営業ぽい見出しになりましたが、お寺でコワーキングスペースを運営することに興味があればお手伝いや相談はいつでも受け付けています。

ちなみにお寺や神社などで事業をする場合にも、無料ではなくきちんとお金をいただくことが大事だと思っています。お金をいただくことできちんとしたサービスを提供できるからです。

Umidass自体は宗教的な雰囲気もなく、私が副住職ということも知らない人が多いです

ここまで書いて、Umidassでお寺なら宗教的な雰囲気があるのかなと心配される方もいるかもしれないので、念のためにお伝えしておくとそういった雰囲気は一切ないです。

むしろ、私が副住職ということを知らない利用者の方もおられますので、その点は気にせずに利用いただけばと思います。