コロナの関係で補助金、助成金、給付金などにこれまで馴染みのなかった事業者の方も、こういった制度の存在を知り、活用されている方が多くおられます。補助金、助成金の活用は、事業の助けになりますので、積極的な活用はぜひともしていただきたいです。

ただ、コロナに関連した制度と通常の補助金では少し制度の主旨や制度設計が異なります。そのことを知らずにお金を貰えるからと飛びつくと結果的にはマイナスになってしまっていたということも多々あります。せっかくの補助金、助成金ですので、有効に活用するためにもコロナ禍における補助金と通常の補助金、助成金との違いをきちんと理解して申請をしてください。




補助金とは?助成金との違いは?コロナ関連補助金は特殊なケースが多い

補助金とは、国や自治体などが国策を促進するための手段の一つです。財源は税金となります。企業や個人事業主の新規事業、創業など新しい取り組みに対する支援が多いです。

財源が税金のため、予算が決定後の4月や5月に公募されるものが多いですが、最近は年間を通じて、複数回の公募がされる補助金も増えています。

[主な特長]

  • 補助金が交付される条件は、申請内容の審査、早い者勝ち、抽選などがありますが、基本的には、事業計画に対して審査がされるケースが多いです。補助金が交付される事業者に決定することを採択といい、採択率は補助金によってばらつきがあります。
  • お金の支給までに時間がかかるケースがほとんどです。交付決定通知書が届いてから始めて事業を開始することができ、事業終了後に実績報告をして検査を経て補助金が交付されます。およそ1年ほどかかるケースが多いです。
  • 補助される金額の割合は補助金によって認められる経費と割合が決まっている。

助成金は厚生労働省が雇用増加や人材育成のために実施

補助金は、税金が原資と書きました。一方で助成金は、会社が支払っている「雇用保険料」が財源となります。雇用保険料を財源として、雇用の増加や人材育成の取り組み、雇用環境の改善のために助成されるのが助成金です。

[主な特長]

  • 雇用保険の適用事業者である必要がある
  • 助成金の条件に合致していればほぼ100%支給される。
  • 金額は助成金の内容によって決定しており、助成金の条件を満たすために使った経費と関係なく決定される

コロナに関連した補助金等は特殊

コロナ禍において、さまざまな補助金、助成金、給付金が事業者に対して用意されています。コロナウイルスの感染拡大という特殊な状況、スピードが求められる状況であったため、通常の補助金、助成金等とは異なっています。

コロナ関連の補助金、助成金を受け取った事業主の方が、補助金、助成金の存在を知り、活用しようと考えるケースが増えていますが、コロナ関連の補助金、助成金は特殊であったと認識しておく必要があります。

[主な点]

  • すでに使った経費を補助金として支給されるケースが多かった。通常、補助金は事業計画の審査が発生しますが、コロナ禍においてマスク・消毒液・非接触ビジネスへの取り組みなどに対してすでに使った経費について後から補助されるケースが多かった。
  • 補助金は事業計画に対して審査がされるのが一般的であるが、コロナ禍においては、何に使ったかという経費を基準にするケースが多かった。
  • 補助金、助成金ともに条件が非常に緩くなっていた。提出書類も非常に簡素化されていた。助成金については雇用調整助成金が顕著に緩くなっていた。
  • 給付金等、目的を問わないお金の支給がされた。

補助金は、お金を貰えるのではなく、補助事業の補助金であるということを強く認識することが大切

ここまでは、今回の本題の前置きとなり、ここからが本題です。すでに書いたようにコロナ禍という緊急事態に対して、多くの補助金、助成金、給付金が実施されました。この機会に補助金、助成金等の制度を知り、活用を考えている事業者の方が多くおられます。補助金は、きちんと使うことで新規事業、新しい取り組みに対してチャレンジしやすくなりますので、せっかくの制度ですのでぜひとも活用していただきたいと思う一方で、お金を貰うことに焦点を当ててしまい、将来的には損失を出してしまう事業者も多くでそうだと懸念しています。

補助金は、補助事業の補助金であって、経費の一部補助であるということを忘れてはいけない

多くの事業者の方が活用されようとしているのは、「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などです。

100万円もらうために、133万円以上使う必要がある。33万円以上は持ち出しになる

例えば、「小規模事業者持続化補助金」について説明しますと、コロナ対応型で100万円の補助金を申請される方が多いです。コロナ対応型の場合、上限100万円で補助率3/4です。100万円もらうためには、133万円以上の経費を使わないといけません。また、133万円の経費というのは、支払ったら経費のうち、対象経費として認められるもののみです。社内の人件費や、仕入れ代金、汎用性の高いパソコンなどの経費は認められません。

つまり最低でも33万円以上の持ち出しは必要となり、それに加え、自社経費等を加えることになります。

▼小規模事業者持続化補助金については下記動画で解説しています。

補助事業を成功させるということを考え、事業全体を計画することを忘れないようにする

補助金の申請書類に記載する事業計画はどうしても経費を補助してもらえるように書くということを意識します。もちろん、補助事業の目標・結果についても記載しないといけませんが、エイヤッで書いてしまう方も少なくありません。

また、補助経費以外の経費に対するケアも薄くなってしまいます。その点をきちんと検討したうえでの事業計画を立てるようにしなければ、補助金は支給されたけども、トータルで見ると補助事業は損失を出してしまっていたというケースも少なくありません。




理想的には、事業計画があってそこに補助金という後押しをしてもらえるという状況

補助金などは関係なく実施を予定している事業計画がある場合には、補助金関係なく、全体計画をしているはずですので、補助金が後押しになったり、リスク回避になり、理想的な状況と言えます。

しかし、実際には、補助金はいつでも募集しているわけでなかったり、期限などがありますので、そのような状況にはなりにくいです。ただ、こういった補助金があればというプラン程度は常に検討しておくのは大切です。

たくさんのお金を貰うということに意識を向けないようにする

今回のコロナ禍で非接触ビジネスということで、ホームページやネットショップに補助金を使う方がたくさんおられます。このことは正しい方向だと思います。一方で、使う経費の内訳が事業の成功と逆方向に向いてるケースも少なくありません。

事業規模によりますが、小規模事業主や中小企業の場合、ホームページやネットショップの構築に対して、100万円規模の投資は必要ありません。同じ100万円使うのであれば、構築だけではなく、広告であったり、記事の追加などアクセスを増やす方向にも予算を割り振った方が成果が高くなります。

もし、補助金がなければ、その規模の投資をするのかということをきちんと考える必要があります。

また、自社の社員、スタッフを使ったコストは補助金の経費として認められません。外注を使うと補助経費として認められます。記事の追加を自社ですれば経費となりませんが、外注を使うと補助経費として認められます。

制作会社に補助金として予算が100万円ありますと伝えると、構築費用(発信するまで)の費用として考えてしまいます。きちんと事業成功までの予算として伝えるようにしましょう。

余談で宣伝となりますが、私が運営している会社では、小規模事業主の方には、10~20万円程度でホームページやネットショップを作っています。その後、月1回等のサポートを希望に応じてしています。構築からサポートまでを含めると30~50万円になります。この金額を補助対象経費とすることができます。(サポートについては補助金によって期間が定められている場合があります。)

全額は補助されない。補助金がたくさんもらえるということは、支出も増えるということ+必要資金が増える

補助金というのは、補助率というのが決まっています。補助率は補助金によって異なり、1/2~3/4と幅があります。

例えば、ものづくり補助金は1,000万円の補助金がもらえますが、1/2の補助率です。(申請内容によって上限、補助率は異なる)ということは、2,000万円の事業に対して、1,000万円の補助金という形になり、1,000万円は自前で負担しないといけません。また、補助金は冒頭の方に書いたように、補助事業の終了後に事業報告をしてからお金が支給されます。つまり、2,000万円の資金が必要ということです。実際には、ここに人件費などの経費も発生します。

専門家に頼らずとも補助金申請はできますが、頼むなら補助金獲得ではなく事業成功のサポートしてもらえる専門家に

補助金で申請する内容は、企業によって異なりますので、必ずしもここで書いたようなことが当てはまるわけではありません。

また、補助金は専門家に頼らずとも申請できます。とはいえ、金額が大きい場合には、専門家に報酬を支払って依頼した方が採択される確率はあがります。

設備導入によって必ず成果につながるというケースもあります。そういったケースであれば、きちんと補助金を獲得してもらえる専門家を探すのも良いと思います。一方で、設備導入だけでは事業成功するか不透明な場合には、事業成功までサポートしてくれる専門家を探すと良いと思います。

後者ができる人は、前者もできる専門家が多いかと思います。最後に宣伝となりますが、当診断士事務所でもサポートしております。助成金についても妻が社労士ですので、補助金、助成金ともにお気軽に相談ください。