コワーキングスペースと一口に言ってもそのサービス形態はさまざまです。特にデスクの提供のされ方はスペースによって異なります。そのタイプ分けと特長をまとめました。
コワーキングスペースのサービス形態(提供デスクスペースのタイプ)は主に4タイプ
コワーキングスペースの提供サービスは主たるものはデスクスペースになります。デスクスペースと一口に言ってもその形態は以下の4つに分けられます。
コワーキングスペースをこれから利用したいと思う人、これから運営したいと思う人それぞれの視点別にメリット・デメリットをまとめてみました。
また、デスク紹介にあたっては私が取材をしたスペースの写真を利用させていただきました。取材記事のリンクも用意していますので、各スペースに興味があれば、取材記事を読んでください。
フリースペース型のデスク-大きなテーブルを共用利用
コワーキングスペースにおける代表的なデスクの形としてフリースペース型のデスクがあります。大きなテーブルを共用利用する形になります。下記はオオサカンスペースのメインデスクの様子です。スペース中央に大きなデスクがあり、そこをさまざまな人が利用しています。自然と周囲の人とコミュニケーションが発生するデスクになります。
パーティションで区切られた間仕切り型のデスク
2つめに紹介するのはパーティションで区切られた間仕切り型のデスクです。有料自習室ではこのタイプのデスクが用意されていることが多いです。周囲の人を気にせずに仕事や勉強に集中したい人向けのデスクです。
個室風のパーティションで区切られたデスク
3つ目に紹介するのは個室ではないが、個室風にパーティションで区切られたデスクスペースです。多くの場合、個人専用スペースとして提供されるため、私物などを置いて帰ったり、自分の好きなオフィスチェアを置いたりすることができます。
完全個室型のデスクスペース
最後に紹介するのは完全個室型のデスクスペースです。レンタルオフィスでは主にこの形態でデスクが提供されています。下記の写真は「今プラス」の個室スペースです。扉があり、鍵を掛けることができるように提供されていることも多いです。また、2人、3人で利用できる形で提供されているケースもあります。
実際には4つのスペースのハイブリッド型で提供され、小さな打ち合わせデスクがあるケースが多い
ここまで4つのデスクスペースのタイプを紹介してきましたが、スペースによって4つのタイプのデスクのうち、2,3種類が提供されていて、利用者は利用目的によって使い分けることができます。
下記の4つのタイプのデスクはすべてコモンルーム中津のデスクスペースです。紹介した4つのタイプのデスクがすべて揃っており、利用目的や事業ステージによって使い分けることができます。
また、多くのスペースでは2~6名程度で利用できるデスクが用意されており、友人・知人や取引先の人と打ち合わせや共同作業をすることができます。
利用者視点で見た場合のデスクタイプ別のメリット・デメリット
スペースによって提供されているデスクタイプが異なりますので、事前に公式ホームページ等で確認してから利用していただきたいと思いますが、利用者視点で見た場合のデスクタイプ別のメリット・デメリットをまとめました。
フリースペース型のデスクのメリット・デメリット
メリット
- 他の利用者の方と知り合いになれる。コミュニケーションが取れる
- 多くの場合、一番安いプランで提供されている
デメリット
- 他の利用者の方が気になったり、話かけられたりして集中できない場合がある
- 毎日来るからと言って私物を置いて帰ったりすることはできない
パーティションで区切られた間仕切り型のデスクのメリット・デメリット
メリット
- 他の利用者が目に入りにくいの集中することができる
- 周囲も同じタイプのデスクがレイアウトされている場合には、他の利用者が会話することがないのでスペース全体が静か
デメリット
- 周囲にどんな人がいるのかわからない。無人営業のスペースの場合、見知らぬ人と2人きりになっている場合もあり、女性などは不安感を感じるケースがある
- 他の利用者と知り合ったり、コミュニケーションを取ったりしにくい
個室風のパーティションで区切られたデスクのメリット・デメリット
メリット
- 他の利用者が目に入りにくいの集中することができる
- 固定席として利用する場合には、私物を置いて帰ったり、自分好みのデスクスペースにレイアウトすることができる場合がある
デメリット
- フリースペース型に比べると料金が高いケースがある
- スペースのレイアウトによっては、他の利用者とコミュニケーションを取ることができない
完全個室型のデスクスペースのメリット・デメリット
メリット
- 完全に自分の部屋として使うことができるので、私物を置いて帰ったり、レイアウト変更ができる
- 広さによってはテナントオフィスを借りているのと同じ状況が安価に手に入る
デメリット
- 料金が高く設定されているケースが多い
- テナントオフィスを利用する場合と比べると自由度は低くなる
運営者視点で見たときにはどのタイプのデスクを用意すべきか
コワーキングスペースをこれから運営する人にとっては、どのタイプのデスクを用意すべきか悩むことになります。上で紹介したコモンルーム中津のように広いスペースの場合にはすべてのデスクタイプを用意することができますが、多くの場合にはそこまでの広さはありませんので、取捨選択が必要となります。
- コミュニケーションを活発化させるためにはフリースペース型のデスク
- 受験生や資格勉強など集中したいタイプの人を集めたい場合には、パーティションで区切られた間仕切り型のデスク
- 売上を安定させるためには、個室風のパーティションで区切られたデスクや完全個室型
となります。コワーキングスペースはコミュニケーションが重要と言われますが、売上を安定させるのは固定席として提供できる個室型になります。特に私物などを置け、オフィスとして利用できるように提供している場合には、簡単に退会されることもなく、月額の単価も高く設定できるため、安定的な売上が見込めます。
また、スペースによっては、デスクタイプは同じでも会話OKなエリアと集中する人のための会話NGのエリアを設けるという形にしているところもあります。
デスクは簡単に入れ替えることができませんので、よく考えて決定していただきたいです。想定していた利用者層と異なるケースも多いので、レイアウトの変更の可能性を作っておくというのも一つの方法です。
下記は、「ひらば」のデスクですが、小さなデスクを組み合わせて大きなデスクを作るという形にされています。このような形ですとデスクタイプを増やすことは難しいとしてもレイアウトの変更は比較的容易にすることができます。