小規模事業者の販路開拓を支援する「小規模事業者持続化補助金」について、一般型・通常枠の第20回公募、創業型の第4回公募が予定されています。
持続化補助金は、小規模事業者が自社の経営計画に基づいて取り組む販路開拓や、それに伴う業務効率化を支援する制度です。
特に創業型では、最大200万円(インボイス特例を活用した場合は最大250万円)の補助金を受けられることから、創業間もない事業者にとって魅力的な制度となっています。
ただし、補助金は単に設備や広告費を購入するための制度ではありません。自社の経営課題を踏まえ、売上拡大につながる事業計画を策定することが重要です。
1.小規模事業者持続化補助金の概要
小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら、販路開拓などに取り組む小規模事業者を対象とした補助金です。
対象となるのは、原則として商業・サービス業では常時使用する従業員5人以下、製造業その他では20人以下などの小規模事業者です。宿泊業・娯楽業については20人以下となります。
補助対象となる経費には、主に以下のようなものがあります。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 新商品開発費
- 委託・外注費 など
ただし、これらの経費であれば何でも補助されるわけではありません。
例えば、設備を導入する場合でも、その設備によって新たな商品・サービスを提供し、新規顧客の獲得や販路開拓につなげる計画が求められます。
また、今回の制度では広報費やウェブサイト関連費に制限が設けられているため、経費の組み合わせにも注意が必要です。
2.創業型は最大200万円の補助金
創業間もない小規模事業者を対象とする「創業型」では、補助上限額が200万円、補助率が3分の2となっています。
インボイス特例の要件を満たす場合には、補助上限額が50万円上乗せされ、最大250万円となります。
例えば、補助対象経費300万円の事業を実施した場合、補助金は200万円、自己負担は100万円となります。
ただし、補助金は原則として後払いです。事業者が先に必要な費用を支払い、事業完了後の実績報告や審査などを経て補助金が交付されます。
そのため、補助金を活用する場合でも、事前の資金調達や資金繰りの検討が欠かせません。
また、創業型では、開業日・会社設立日や特定創業支援等事業による支援を受けた日が、公募締切から過去1年以内であることなどが要件となっています。
創業しただけで申請できる制度ではないため、事前に対象要件を確認しておく必要があります。
3.創業型は、開業前でも申請できる?
創業型では、すでに開業・設立しているものの、店舗のオープン準備中などで、まだ商品やサービスの提供を開始していない事業者も補助対象になり得ます。
ただし、申請できることと、採択されることは別です。
持続化補助金の審査では、自社の強み・弱みを適切に把握しているか、市場や顧客ニーズを踏まえた事業計画になっているか、といった点が評価されます。
実際に営業を開始し、顧客の反応や売上実績などが蓄積されている方が、こうした分析に具体性を持たせやすい場合があります。
例えば、美容室であれば、最初は面貸しで営業を開始し、顧客を獲得した後に自店舗を開業する方法も考えられます。
飲食店でも、シェアキッチンや間借り営業から始め、顧客ニーズを確認したうえで店舗を構えるという方法があります。
こうした段階的な創業であれば、実際の営業実績を踏まえた事業計画を策定しやすくなります。
4.補助金のために無理な投資をしないことが重要
創業型は最大200万円という大きな補助金ですが、補助金を受け取ること自体が目的になってしまわないよう注意が必要です。
例えば、補助金を利用できるからという理由で高額な設備を導入しても、その設備が十分に活用されなければ、自己負担分が経営を圧迫する可能性があります。
また、補助金の対象となる事業は、原則として交付決定後に着手する必要があります。
店舗を借りて開業する場合、交付決定を待つ間にも家賃が発生するため、補助金を利用することでかえって開業費用が増えてしまう可能性もあります。
そのため、開業に不可欠な設備や内装工事は自己資金・融資で準備し、補助金では後から導入できる追加設備や販路開拓に必要な取組を検討することも有効です。
さらに、補助金を受けた事業には計画変更や取得財産の処分などに一定の制約が生じる場合があります。
特に創業直後は、顧客ニーズに合わせて事業内容を見直すことも多いため、事業の柔軟性を確保するという視点も大切です。
5.申請を検討している方へ
持続化補助金は通年で申請できる制度ではなく、公募期間が定められています。
特に創業型は創業後1年以内という要件があるため、申請のタイミングが重要になります。
一方で、補助金の申請を急ぐあまり、十分な事業計画を立てずに投資を決めることはおすすめできません。
まずは、自社の強みや弱み、顧客ニーズ、今後の事業展開を整理したうえで、必要な投資と補助金の活用方法を検討することが重要です。
公募要領や申請スケジュールなどの詳細は、公式サイトをご確認ください。
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>
https://r6.jizokukahojokin.info
小規模事業者持続化補助金<創業型>
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo
6.YouTubeでも創業型の効果的な活用方法を解説しています
当事務所では、中小企業診断士として創業支援や補助金申請支援を行っています。
今回、YouTubeチャンネルでも、持続化補助金<創業型>を活用する際の注意点や、効果的な活用方法について解説しました。
「創業すれば200万円もらえる」という情報だけで判断するのではなく、事業の成長に本当に必要な投資なのか、どのタイミングで補助金を活用するのが効果的なのか、といった点を実務経験を交えてお話ししています。
これから創業する方や、創業型の申請を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
当事務所では、創業計画の策定や補助金の活用についてのご相談にも対応しています。申請を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
※制度内容は公募回によって変更される場合があります。申請時には必ず最新の公募要領をご確認ください。
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