事業再構築補助金の多くの事業計画書の作成、アドバイスをさせていただいています。商工会議所等の経営指導員としてアドバイスさせていただくこともあれば、直接、申請の支援を依頼いただくケースもあります。そんな中、ご自身で作成されていて不採択になった方の事業計画書の気になる点をまとめました。

不採択となって事業計画書を見て、気になる点

まず、最初によく見かけるのが公募要領をきちんと読めていないというケースです。

公募要領に審査項目・加点項目がしっかりと明記されている

事業計画と言われても何を書けば良いのかわからなかった、どう書けば良いのかわからないということを言われるケースがあるのですが、公募要領に審査項目・加点項目は明記されています。

審査について詳細はわかりませんが、事業化点の小項目4点、再構築点の小項目4点、政策点の小項目5点、それぞれについて配点されていると思われます。どのような配点になっているかは不明ですが、まずは0点という項目がないかをチェックしてください。0点というのは記載されていないということです。

当初は気にされていた方も計画書の修正に没頭するうちに忘れてしまうケースが多いです。

事業再構築補助金の採択事例の事業計画書の中には、審査項目・加点項目を表にして明記しているものもありました。あれも一つのテクニックだと思います。

審査項目については、動画で詳しく解説しています。

事業計画に正解はない。きちんとエビデンスをもとに計画立案できているかが大切

事業計画ですので、正解はありません。どんな事業が成功するのか、失敗するのかは誰にもわかりません。ですので、ビジネスアイデアの良し悪しで判断されているわけではないと思われます。

採択結果を見てもらうとわかるように、どこかで聞いたことがあるような事業も多数採択されています。大切なことは審査項目に対して、きちんとエビデンスをもとに計画立案できているかということです。

こんな良いアイデアだから絶対に成功するはずという形で思い込みで書いていると採択されないということです。逆に言うと、アイデア自体はどこかで聞いたものであっても、自社の強みを活かせることができ、営業する地域では売上があがるという根拠があれば採択される可能性があります。

記述の際のポイント

  • 信頼性のあるソースを元に客観的視点で書く
  • •自社で実現していること、実際に発生したことは書く
    • 特にニーズについては、顧客、取引先からの要望があれば書く
  • 本事業に対して立証できない場合には過去の事例を元に書く
    • ●●補助金において●●が事務作業を完全に遂行したので問題ない体制 とか。
  • どんなに小さいことでも書かないよりまし
    • 地域への貢献⇒雇用や取引などから考える

公募要領の注意事項も忘れない

公募要領の中には注意事項とわざわざ説明してくれています。

1:補助事業の具体的取組内容で書くこと

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

3:本事業で取得する主な資産
4:収益計画

よくあるケースとして、事業計画を書き進めると

  • 審査項目を忘れてしまう。。。
  • フォーマットの記載事項を忘れてしまう。。
  • 自分の想いばかりが先走った内容になっている

というようなケースが多く見受けられます。

すべてが書かれているのに不採択になるという方の場合

次のような疑問を感じるケースが多いように思います。

  • 資金面、体制面などから実施できないと思われている可能性
  • 新ビジネスの場合、ビジネスモデルが正しく伝わっていない可能性
  • 受注可能性が低い(ニーズの存在or対競合)と思われている可能性

特に新しいサービスの場合には、補助金の採択されることが難しいと感じるケースもあります。この点は、残念なことではありますが、税金である以上、実現性や事業化の可能性について不安が残る事業は採択されにくいと思ってもらうしかありません。

事業再構築補助金やものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の申請書作成については当事務所でも支援していますのでお気軽に相談ください。